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2019年11月10日日曜日

女子プロレスの現状をおさらいしてみる

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世界的な状況を鑑みると、日本の女子プロレスというものが非常に目紛しいということは、理解いただけているかと思う。(専門誌なりメディアがもう少し温度感高めになってくれるといいのになと思いつつ)

▼国内の女子プロレス現状とは

そこで、少し日本国内の状況をおさらいしてみようと思うのだ。古くは、全日本女子プロレスとジャパン女子プロレスの大まかな流れから、細分化されている状況の中で、何が起きているのかを見てみよう。

【LLPW-X】

現在最古の団体であり、神取忍率いるジャパン女子の流れを組む団体。とはいうものの、新人が定着せず所属選手が現在5人。華と癖のあるベテラン揃い。

【アイスリボン】

こ のnoteでお馴染み里歩の生まれ故郷。立ち上げたさくらえみはIWA JAPANという男子の団体でデビューしている代わり者のため、独特の立ち位置感はその影響か。さくら退団以後、元NEO女子プロレス代表取締役で現東京 女子プロレス事業部長の甲田哲也を経て、取締役選手代表の藤本つかさに引き渡された。
プロレスサークルをベースに、年齢、経験不問で選手を募集しており、多くの学生選手や主婦などがリングに上がっており、その育成能力には定評がある。また、興行はほぼ自前の選手のみで行いながら、年間興行数100近くを保つなど勢力的である。
特にタッグ戦線を沸かせているアジュール・レボリューションの世羅りさ、雪妃真矢とバーニング・ロウのテキーラ沙弥、ジュリアの二組はビジュアルの良さで見ても、タレント並かつ激しい戦いには定評がある。
スーパーバイザーとして、豊田真奈美が就任。キャリア晩年、アイスリボンにも多く参戦し、藤本を後継者として認めている。

【センダイガールズプロレスリング】

仙台をベースに活動する。里村明衣子が代表取締役を勤める。里村はGAEA JAPAN出身で、長与千種の直弟子に当たる。"女子プロレスの横綱"と称される程、ハードなトレーニングで知られる。
非 常にベースの技術力がしっかりした選手育成が行われており、退団した水波綾や花月なども他団体で結果を残しているし、現在エースの橋本千紘は日大レスリン グ部出身であり、どんな体制からでもぶっこ抜けるジャーマン「オブライト」は圧巻。他団体の若手エースからも狙われる"ビッグ4"の一人。
基 本的に所属選手vs外敵と構図を作っているが、昨年はDDTと絡み、里村はDDTのKO-D無差別級王者となり、団体としてもDDTのエース竹下率いるユ ニットALL OUTとの全面戦争を行った。また、里村はWWEの女子トーナメント、メイヤングクラシックに参加し、トリプルHから賞賛を貰った。先日はイギリスにて仙 女として興行を行い、イギリスの女子団体EVEとの対抗戦を行うなど、勢力的に活動を行っている。

【OZアカデミー】

ジャパン女子プロレス出身の尾崎魔弓が率いる。元々、GAEA JAPANに参戦していた尾崎に所属の永島とシュガー佐藤が弟子入りし、ヒールユニットとなったのがきっかけ。後、06年に団体として活動をするようになる。
生 粋のヒールである尾崎が中心のため、綺麗で華のある選手を団体に限らず集めたヒールユニット正危軍とそれに反発する選手達という構図がある。介入、ルール 変更も全て尾崎の一任というところが勧善懲悪にならない辺り、他の団体とは勝手が違う。だが、正危軍に入る事で、自身のプロレスを開花させる選手は少なく ない。アイスリボンの雪妃やアクトレスの安納サオリなどは典型的な例だろう。
元GAEA JAPANの流れを組む選手も多い中、アジャ・コングが所属しているのは、このOZである。(アジャはGAEAで長きに渡り、若手の壁となってきた。)

【プロレスリングWAVE】

ジャパン女子出身のGAMIプロデュース興行から発展。JDスター女子プロレスの解散を受け、桜花由美が加わる。シリアスからコミカルまでなんでもこなす職人GAMIの采配はプロレス業界の様々な時流を読んだ興行に及ぶ。
所 属選手は多くないものの、フリーや他団体選手も求められる戦いのレベルが非常に高いのが特徴。特にRegina di WAVE王座はWAVEの中だけでなく、業界全体に影響を及ぼすくらい注目される。また、WAVE主催のリーグ戦Catch the WAVEは、様々な分け方で選手を分けたリーグ戦が特徴で、2019年はビジュアル、パワー、テクニカル、ヤングと特性ごとに分けられた。全方位外交であ り、MAKAI、アクトレス、Marvelous、センダイガールズ、アイスリボン、ディアナと、様々な団体から参戦した。
仙女からWAVEへ移った水波綾は”アニキ”の名称で知られるが、屈指のパワーファイターであり、若手時代からCatch the Waveでの活躍と、ライバル大畠美咲との名勝負の数々がその実力を業界に広めた。

【スターダム】

こ のnoteでも幾度も名前の出ている、現在世界で最も注目すべき団体の1つ。代表のロッシー小川は元全女の企画広報部長を経て、技術とビジュアルを重視し た新団体アルシオンを旗揚げ、後に全女が解散した堀田裕美子や高橋奈七永を交えAtoZに、さらにJDスターと提携を結ぶ。現在、GMを勤める風香はJD スターにて、アクション女優を目指すアストレスの一員として参加していた。
若い選手、ビジュアルに優れた選手が多いが、選手層が厚く、興行数の多さ、また両国国技館、後楽園ホールでの定期開催など他団体よりも大きな規模での興行、外国人選手の参戦など規模では追随を許さない。
選手個々のグッズ売り上げや評判に関してもかなり厳しくチェックする一方、個々の抗争に至るまでの見せ方などがもう一段階伸びてくると、自団体だけでも世界規模のビジネスになると思うのだが、次世代の紫雷イオ、カイリ・セインは生まれるのだろうか。
現在は、AEWにも参戦したビー・プレストリーがワールド・オブ・スターダム王者だが、各ユニットのリーダー、花月、渡辺桃、岩谷麻優、木村花はそれぞれタイプの異なるトップレベルの選手に間違いはない。

【ワールド女子プロレス・ディアナ】

全日本女子を離脱し、NEO女子を経て、井上京子が旗揚げ。伊藤薫や佐藤綾子が残るなど全女の血が色濃い。道場があっての団体という考えが強い。
多 くの選手を育成してきたわけではないが、じっくりと育てたSareeeは今やトリプルHが直接コンタクトしてくるような大物に。アジャ・コング、仙女橋本 との衝突で少しずつ実力を高め、ビッグ4の一角である。得意技の裏投げは女子プロレスの歴史で意味のある技であり、古くは馳浩から全女の長谷川咲恵に伝授 され、後に大向美智子、栗原あゆみと脈々と受け継がれてきた伝統の一撃である。

【プロレスリング我闘雲舞】

アイスリボンを脱退したさくらえみが、様々なことがあり、タイでのプロレス新興を掲げて旗揚げ、当初はジャパンツアーという形で日本で興行を行った。また同時に、プロレスリングEVEとは相互参戦を行っており、さくらがEVE王座を奪取したりもしている。
アイスリボンの頃から選手を育成することには評価が高く、所属の駿河メイの持つ陽気なオーラはプロレスラーとしては珍しいタイプといえる。
管理を行っているスーパーアジア王座は、元々解散したIWA JAPANが管理するIWA三冠統一王座の代わりに作られたものであり、女子プロレスのみならず日本のプロレスの歴史においても、文脈を持つ。里歩の退団により、返上、現在は空位となっている。

【東京女子プロレス】

NEO女子プロレスやアイスリボンを経て甲田哲也がDDTプロレスリングから任される形で始まる。これまでの経験から初期には所属選手のみでの興行を行う手法がとられて来た。現在は少しずつ、フリーの選手なども上がる形に。
DDT との繋がりもあり、選手のコスチュームやファイトスタイルなども独創的な選手が多い。話題性を求めるイメージは強いが、山下実優など高い実力を持つ選手も いる。双璧とも言える優宇は脱退後、フリー、現在はプロレスリングEVEに所属し、国内でも他団体を始め、多くの場所で活躍する。
坂崎ユカ、中島翔子がAEWに参戦、ケニー・オメガ、マイケル中澤とのコネクションにより、その独創性が海外のレスリングファンに直接届けられている。

【Actwres girl'Z】

スターダムを退団したまなせゆうな(現在は東京女子にフリーとして参戦)を中心に、劇団で活動していた女優を集めて作られた団体である。現在はプレイングマネージャーとして元全女の堀田裕美子が就任。
BeginingとColor'sの2ブランド制である。元々、女優志望やアイドル志望の子が多いため、ビジュアルは良い反面、ベビー、ヒールのような明確な立ち位置がないのと、キャリアの浅い選手が多く経験がなかなか積めていない。
ただ、OZアカデミーに参戦する安納や、WAVEに参戦する高瀬みゆき、有田ひめかなど他団体での経験する機会が増えて来ているのは確か。

【Marvelous】

長与千種がGAEA JAPAN後、再び設立した新たな団体。寮生活をしながら、着実に所属選手を増やし、堅実な選手育成で注目される。団体としても興行を行いながら、若手選手は仙女、WAVE、SEAdLINNNGに参戦するなど経験を積んでいる。
エー ス彩羽匠は長与に憧れ業界に入り、両国国技館で仙女里村相手にデビュー戦を勤める。間違いなく次世代の業界を担うビッグ4の一人であり、現在、WAVEの Regina di WAVE王座とSEAdLINNNGのBEYOND THE SEAシングル王座を巻いている二冠王。得意技ランニングスリーは師匠長与から受け継いだ大事な技である。

【SEAdLINNNG】

元 全女の高橋奈七永が設立したプロモーション。スターダムを離脱した後、世志琥と合流、さらにJWPを退団した中島安里紗やディアナを退団したSareee が合流するなど、妙な熱がある(Sareeeは後、ディアナへ戻ることに)。全員の個性が強過ぎて、衝突するのがリングに持ち込まれるのは、さすが全女と いう感じではある。
世志琥はスターダム時代に不穏試合を起こしてしまったこともあるが、今では若手を支える試合も潰す試合もコミカルもこなせる器用な選手となった。キャリアこそ8年になるが、まだ25歳。彩羽やSareee、橋本をライバルとするビッグ4最後の一人である。

【PURE-J女子プロレス】

ジャパン女子唯一の直系とも言える、前身はJWP女子プロレス。創設者でジャパン女子を知るコマンド・ボリショイが引退し、まさに次の世代が動き出そうというところ。
パワータイプの選手と、テクニックやスピードに長けた選手の両方がいるのは、JWP時代からの特徴と言える。また道場マッチやライブハウスでの活動など選手との距離の近さが独特。
若い選手が目指すベルトの中でも、PURE-Jが管理するPOP王座は数々の歴史を作って来たベルトである。現在はボリショイがプロデュースする PUREPRINCESS大会のMVPに選ばれると、新王者になるという新規定が採用されており、団体を問わず門戸が開かれている。
 
これ以外にも、小さなプロモーションや地方のプロモーションなどもあるし、ここに名前の挙がっていないフリーの注目選手もいるのだが、男子に負けず劣らず女子もたくさんあるのだなということが分かっていただけたかと思う。
ビッグ4として名前を上げた4人は互いに団体のベルトをかけて争ったり、組んだり、切磋琢磨する関係性なわけだが、トリプルHがSareeeに接触をしたこと で、彼女達若手だけではなくベテランの中でも、日本のトップを目指す戦いをしていくのか、世界を見るのかというのは重要視され始めている。
これまでにも語って来たように、実力、技術は高いのは間違いないのだが、プロモーション能力、エンターテイメントとしての強さを問われた時に、日本国内でも 男子以上の影響力を出せない団体が多い。この状況でもし、WWEが日本版のNXTを展開したら、勢力図そのものが一変する可能性がある。黒船はこの島国に 一体なにをもたらすだろうか。


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